厚生労働省は4月、最低賃金改定の目安額を示す都道府県のランク区分について、現行の4区分(A~D)から3区分(A~C)に再編する方針を決定しました。

令和5年度の最低賃金改定から適応されます。

地域別最低賃金のランク区分とは

地域別最低賃金のランク区分は、所得・消費、給与、企業経営に関する諸指標に基づく総合指数を各都道府県の経済実態とみなします。

その経済実態に応じて都道府県を振り分け、ランクごとに改定額の目安を示すもので、昭和53年度の制度創設以来、4つのランクが維持されてきました。

しかし近年は47都道府県の総合指数の差が縮小傾向にあり、直近の目安額は

  • 令和4年度:30円~31円
  • 令和3年度:28円
  • 令和元年:26~28円

と、0円~2円の差にとどまってきました。(令和2年度はコロナ禍の影響で目安額が示されず)

一方で最低賃金の地域格差(令和4年度は219円)の解消は依然として大きな課題とされているため、ランク区分を3つに減らすことで地域間格差の拡大を抑制する考えです。

新旧ランク区分

新旧ランク区分は以下の通りとなっており、令和5年度の最低賃金改定から適用されます。

都道府県
A A 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
B B 茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
B C 北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
B D 福島、島根、愛媛
C D 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄