毎年10月に最低賃金が改定されます。
昨年は時給約30円上昇し、今年も同程度の上昇が予想されます。
これに合わせてパート・アルバイトの時給を変更する場合、その従業員が社会保険の加入者であれば、固定的賃金の変動ということで月額変更届が必要となる場合もあります。
給与の締めが末日で10/1から時給アップという会社であれば特に問題ありません。
しかし給与計算期間の途中で時給が変更となる場合には、月額変更届の考え方に少し注意が必要ですので簡単にまとめます。
給与計算期間の途中で固定的賃金が変動しても起算月にならない
最低賃金の話から始まりましたが、原則は最低賃金の上昇も通常の昇給も違いはありません。
給与計算期間の途中で固定的賃金が変動しても起算月にはならない
これがルールです。
具体例
これだけだと分かりにくいので、具体例を挙げていきます。
【末締・翌月15日払の会社】
ケース①
9/30まで時給1,000円、10/1~は時給1,100円の場合。
⇒11/15払の給与で固定的賃金の変動があったと考え、11月からの3か月で月額変更届が必要かどうかを確認します。
ケース②
10/15まで時給1,000円、10/16~時給1,100円の場合。
⇒12/15払の給与で固定的賃金の変動があったと考え、1月からの3か月で月額変更届が必要がどうかを確認します。
10/1~10/31の1か月間は給与計算期間の途中で固定的賃金の変動があったため、11/15払の給与では起算月とならないのです。
最低賃金の発行年月日
この考え方をベースとし、最低賃金の発行年月日を考えます。
大雑把に10月から最低賃金が上がると言いますが、厳密には都道府県によって最低賃金の発行年月日が異なります。
2022年10月でいえば、
- 東京都:10月1日
- 北海道:10月2日
- 山梨県:10月20日
ということで、都道府県によってかなり異なることが分かります。
末締めの会社の場合、東京都のように10月1日が発行日であれば分かりやすいのですが、北海道のように10月2日が発行日だと、今回の記事のような給与計算期間の途中での固定的賃金変動を考える必要があります。
もしこういった考え方が面倒であれば、発行日は10月2日でも、10月1日から社内で賃金を変更してしまっても全く問題ありません。
まとめ
以上今回は、給与計算期間の途中で最低賃金が上がった時の月額変更届についての記事でした。
最低賃金に限らず、給与計算期間の途中で
- 昇給があったとき
- 引っ越して通勤手当が変更になったとき
などにも該当する内容ですので、知っておいて損はないと思います。
給与計算期間の途中で昇給があってもその月は起算月にならないということで、
社会保険料が上がるのが1か月遅くなる
とも考えられますし、
昇給した額で1か月フルで働いた給与で社会保険料が計算される
とも考えられます。
これが得なのか損なのかは人それぞれですね(笑)