会社を退職したとき、その会社でもらった健康保険証はいつまで使えるのか気になる方も多いようです。

本来であれば健康保険証は退職した会社に返却しないといけないのですが、色んな事情により返却できず、手元に残ることがあります。

そしてその健康保険証で病院を受診すると、意外と使えたりするんですよね。

そんなわけで今回は、退職した会社の健康保険証はいつまで使えるのか紹介します。

ちなみに、結論としては退職日までしか使えませんので、手元に健康保険証があっても使わないようにしましょう。

健康保険証は退職日まで使える

シンプルな結論ですが、健康保険証は退職日まで使えます。

「退職日」の他に「資格喪失日」という言葉もあって少し紛らわしいのですが、会社を8月31日付けで退職したとします。

その場合、「退職日」は8月31日となります。ですので、8月31日の23時59分まではその健康保険証が使えます。

そして「資格喪失日」というのは法律上の言葉ですが、「退職日」の翌日が「資格喪失日」となります。

ですので、8月31日に退職した場合は9月1日が「資格喪失日」ということになります。

なんとなく言葉の意味からして「資格喪失日」も8月31日に思えますが、8月31日いっぱいはまだ資格を喪失しておらず健康保険証を使えます。

保険料の徴収は月単位

少し紛らわしいのが、社会保険の保険料は月単位で徴収される点です。

たとえば8月10日退職した場合、会社からは7月分までの保険料しか徴収されません。

そして8月分は自身で国民健康保険料を納めたり、転職先の会社から徴収されたりします。

そのことを知っていると、

「8月分の保険料は払わないのに、健康保険証は使って良いの?」

と思う方もいるのですが、問題なく8月10日の退職日まではその保険証を使えますので安心してください。

退職後も健康保険証を病院で使える理由

では、なぜ本来は使えないはずの健康保険証を病院で使えるのでしょうか。

それは、病院側が退職についてまで把握できないからです。

病院は、1か月分の医療費をまとめて支払基金に請求します。

自己負担が3割の方であれば、残りの7割を支払基金に請求するということです。

そしてその時に初めて、

「この方はすでに退職されているので、残りの7割を支払うことはできません。」

と支払基金に言われてしまうのです。

ですので、病院側としては本来は使えない健康保険証を使われてしまうと、すごく困るのです。

もちろん、本来であれば使えない健康保険証を使って3割負担で済んでいるのですから、後から7割分の請求を受けるなど色々と面倒なことになります。

ですので、退職後の健康保険証は決して使わないようにしましょう。

まとめ

以上、今回は、退職した会社の健康保険証はいつまで使えるかを紹介しました。

退職日と資格喪失日の言葉が分かりにくかったり、保険料の徴収は月単位であることから少し紛らわしいですが、健康保険証は退職日まで使えるというのがシンプルな結論です。

病院はタイムリーに退職を把握できるわけではないため、退職した会社の健康保険証も使おうと思えば使えてしまいます。

しかし病院側がすごく困りまうし、後から7割分の請求を受けるなど色々と面倒なことになりますので、退職した会社の健康保険証は使わないようにしましょう。