退職前後に賞与を支給した場合、賞与支払届や社会保険料徴収において通常の賃金とは異なる扱いとなり少し複雑です。
賞与の支給が退職日の前か後かでも変わってきますし、退職日が月末かどうかでも変わってきます。
そこで今回、どういったケースで賞与支払届や社会保険料徴収が必要になるかをまとめます。
退職の場合
社会保険の被保険者資格を喪失した日(退職日の翌日。以下、「喪失日」)の属する月(以下、「喪失月」)に支払われた賞与のうち、退職日までに支払われた賞与については賞与支払届の届出が必要になります。
なお、喪失日以降に賞与が支払われた場合は賞与支払届の提出は不要になります。
また、社会保険料は資格取得月から資格喪失月の前月まで徴収されます。
したがって、喪失月に支払われた賞与は、社会保険料を徴収する必要がありません。
具体例
【賞与支給日:12月15日】
退職日 | 喪失日 | 賞与支払届 | 社会保険料徴収 |
【1】12月10日 | 12月11日 | 不要 | 不要 |
【2】12月25日 | 12月26日 | 要 | 不要 |
【3】12月31日 | 1月1日 | 要 | 要 |
【1】は退職日より後に賞与を支給しているため、賞与支払届は不要です。
【2】は退職日より前に賞与を支給しているのため、賞与支払届が必要です。これは支給日と退職日が同日の場合も同様です。
【3】は喪失日が支給日の翌月のため、賞与支払届が必要です。
社会保険料については、【1】【2】ともに賞与支給日、退職日の前後はありますが、月途中での退職であり喪失月に支払われた賞与ですので、社会保険料の徴収は不要です。
【3】は喪失月が賞与支給月ではなく翌月になるため、社会保険料の徴収が必要になります。
なお、同月に資格取得日と資格喪失日があった(1か月以内に退職した)場合は、資格取得日から退職日までに支払われた賞与について、社会保険料徴収の対象となります。
まとめ
以上今回は、退職前後の賞与支給にかかる賞与支払届と社会保険料徴収についてまとめました。
今回のまとめで様々なケースに対応できるはずですが、もし賞与支払届や社会保険料徴収が必要かどうか不明な場合があれば、気軽に当事務所までお問合せください。