株式会社じほう様が発刊する「調剤と情報2023年8月号」に、弊事務所代表の寄稿した記事が掲載されました。こちらは1年間の連載となります。

調剤と情報 2023年8月号(Vol.29 No.11)

8月号のテーマは
『「忙しくて有給が取得できない!」、これってありなの? ―年次有給休暇制度について』
です。

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年次有給休暇は、同僚への気兼ねや休暇を請求することへのためらいなどの理由から取得率が低調な現状にあり、取得促進が課題となっていました。

2019年4月からすべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については取得させることが義務づけられていますが、現状はどうなっているのでしょうか。

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令和3年就労条件総合調査の概況では、令和2年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く)は、労働者一人平均17.9日、このうち取得された日数が10.1日で、取得率は約56%となっています。

政府の目標である年次有給休暇の取得率70%には届いてないのが現状です。

厚生労働省の働き方・休み方改善ポータルサイトによると、労働者の約半数は、年次有給休暇の取得にためらいを感じています。

ためらいを感じる理由として、

  1. 周囲に迷惑がかかると感じるから(58.5%)
  2. 後で多忙になるから(37.6%)
  3. 職場の雰囲気で取得しづらいから(25.2%)
  4. 上司がよい顔をしないから(21.7%)
  5. 昇格や査定に悪い影響があるから(8.6%)

となっています。

特に調剤薬局は少人数で営業していることが多いため、休んだ場合に人材確保が難しいという理由もあります。

しかし、年次有給休暇の取得は、心身がリフレッシュされ、家庭生活の充実と質の高い労働へ繋がるため、年次有給休暇を取得しやすくなるような、職場の環境づくりが重要となります。

もし不明点などございましたら、弊事務所まで気軽にご相談ください。