コロナ禍を経てテレワークの普及が進みました。

それに伴い、タイトルのようなケースがまれに発生します。

こういったケースでは通勤災害の理解だけでなくテレワーク規定なども関係しておきますので、解説いたします。

通勤災害における「通勤」とは

労働者の通勤による負傷、疾病、傷害、死亡は、通勤災害として労災保険給付の対象となります。

そしてこの「通勤」ですが、

  1. 住居と就業の場所との間の往復
  2. 就業の場所から他の就業の場所への移動
  3. 1.の往復に先行または後続する住居間の移動

これらの移動を合理的な経路および方法により行うことをいいます。(業務の性質を有するものを除く)

ここで問題になるのが「就業の場所」です。

以前のように会社へ出勤するのであれば「就業の場所」も分かりやすかったのですが、テレワークにあたっては「就業の場所」の場所が曖昧です。

常に自宅で仕事する方もいれば、気分転換にカフェなどで仕事をする方もいます。

規定による「就業の場所」の限定

こういった理由から、テレワークを認めるのであれば、あわせて規定により「就業の場所」を限定しておく必要があります。

厚生労働省が作成したテレワークモデル就業規則においては「従業員の自宅、その他自宅に準ずる場所(会社の認めた場所に限る)」を「就業の場所」として限定しており、自宅に準ずる場所としても介護を行っている親の家などが想定されています。

このような限定は、通勤災害の認定においても重要になりますし、他にも情報漏洩のリスクを低減させるといった効果もあります。

結論「規定による」

よってタイトルのようなケースの回答としては、「規定による」となります。

テレワークを行う人の「就業の場所」としてカフェを認めているのであれば通勤災害となる可能性があります。

しかし「就業の場所」を自宅や自宅に準ずる場所に限定しているのであれば、通勤災害にはなりません。

まとめ

以上、今回は近くのカフェでテレワークを行うために移動中の事故は通勤災害になるのかでした。

テレワークの導入にあわせてテレワーク規定を作成した会社は多いと思いますが、コロナが急速に拡大したこともあり、そこまで内容を検討していない会社も多いのではないでしょうか。

しかし今回の記事のように、内容によって大きな違いとなるケースもありますので、この機会に再度内容を検討してみてはいかがでしょうか。